目次
■ MACD (Moving Average Convergence Divergence)
~開発者の執念が生んだ「トレンドの初動を射抜く」弾道ミサイル~
1. 誰が、いつ開発したのか?
MACDは、1979年にアメリカの投資家であり、精神科医でもあったジェラルド・アペル (Gerald Appel) によって開発されました。「精神科医」という経歴が、実はこの指標の肝です。彼は「投資家たちの集団心理の過熱と冷却」を、数学的に捉えようとしたのです。
2. 何の目的で開発されたのか?
当時の主流は「移動平均線(SMA)」でしたが、これには「反応が遅すぎる」という致命的な弱点がありました。価格が動いた後にやっと線がついてくるため、気づいた時にはトレンドが終わっていることが多かったのです。
アペルは考えました。
「トレンドが発生する前、2本の線の『距離(差)』に変化が起きているはずだ。それを可視化すれば、トレンドの初動を誰よりも早く射抜けるのではないか?」
これがMACDの誕生理由です。彼は「EMA(指数平滑移動平均線)」という直近の価格を重視する計算式を採用し、その「2本の線の乖離(離れていく勢い)」と「収束(近づいてくる予兆)」を抜き出しました。
3. MACDの構造を心理的に分解する
MACDは、実は「差分の差分」を見ている高度な指標です。
- MACDライン(本体): 短期EMA - 長期EMA
- 意味: 「今、短期的な勢いが長期的な流れをどれだけ引き離しているか」。
- シグナルライン: MACDラインの平均
- 意味: 「勢いそのものの平均値」。
- ヒストグラム(棒グラフ): MACDライン - シグナルライン
- 意味: 「勢いの勢い」。これが縮み始めた瞬間こそ、クジラが利確を考え、トレンドが転換する「最初のサイン」です。
4. 現在の主な利用方法と頻度
MACDは現在、世界中で「最も人気のあるテクニカル指標のトップ3」に入ります。主な使われ方は以下の3つです。
- ゴールデンクロス・デッドクロス(初心者〜中級者):
- MACDラインがシグナルを抜ける瞬間にエントリー。シンプルですが、レンジ相場では「ダマシ」に遭いやすいのが弱点です。
- ゼロライン・クロス(トレンド判断):
- MACDが「0」より上なら上昇トレンド、下なら下降トレンド。非常に高い頻度で、環境認識のベースとして使われます。
- ダイバージェンス(プロ・鯨の視点):
- 価格は上がっているのに、MACDの山が低くなっている状態。
- クジラの意図: 「価格を無理やり上げているが、内部の勢い(買い注文の量)は枯渇しているぞ」。これは、逆張りのクジラたちが反撃を仕掛ける最大の合図です。
5. なぜMACDを使うのか
MACDは「価格そのもの」ではなく「勢い(エネルギー)」を教えてくれます。
「なぜみんながエントリーするのに逆に行くのか?」という問いに対する答えの一つがここにあります。
大衆が価格だけを見て「まだ上がっている!」と興奮している時、MACDは「エネルギー切れ」を誰よりも早く告げています。開発者のアペルが狙った「心理の過熱」を読み解く力こそが、TANIFXでの勝利を支えることになります。

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