トレードは『ルールを知らないスポーツ』だ

資金を溶かしてやっとわかった。トレードは『ルールを知らないスポーツ』だった話

目次

結論:まずは「生き残ること」だけを考えろ

いきなり結論から言います。

トレードで最も重要なことは、億を稼ぐことでも、勝率100%の手法を見つけることでもありません。

「明日も相場に参加できる資金を残すこと(生き残ること)」

これに尽きます。

なぜなら、資金が尽きた瞬間、あなたはスタジアムから強制退場させられるからです。退場させられたら、どんなに技術を磨いても二度とプレーすることはできません。

これから話すのは、私がかつて資金を溶かし、退場した経験から学んだ「トレードというゲームの真実」です。

導入:チャート分析以前に「前提」が間違っていた

私が相場で負け続けた理由は、才能がなかったからでも、運が悪かったからでもありません。

「ルールのない状態でスポーツをしていたから」です。

想像してみてください。

サッカーのルールを全く知らずにピッチに立ったとします。「ボールをゴールに入れればいいんだな」とだけ理解して、手を使ってボールを運び、相手選手にタックルをして強引にゴールを決めました。

結果はどうなるでしょうか?

当然、即レッドカードで退場です。

トレードもこれと全く同じです。

「安く買って高く売ればいい」という原始的な目的だけを知っていても、オフサイド(市場の規律)やファウル(資金管理の無視)を知らなければ、どれだけ身体能力(資金力)があっても勝てません。

私はチャート分析の技術不足以前に、この「競技のルール」を知らずに戦っていたのです。

私の失敗談:ルール無き戦いの末路

かつての私が、具体的にどのような「ルール違反」を犯して自滅していったのか。恥ずかしながら3つの失敗談を共有します。

1. 1分足の迷子

「早く結果が知りたい」という気持ちもあり、初心者のくせに1分足だけでトレードをしていました。俗に言うスキャルピングです。

しかし、1分足はノイズの塊です。長期的なトレンド(試合の流れ)を無視して、目の前のボールの動きだけを追いかけ回すようなもの。

結果、往復ビンタをくらい続け、スプレッド(手数料)という名のボディブローで体力を削られ、気付けば資金は半分になっていました。

2. 少額スイングの自滅

「負けを各確定したくないから勝つまで長く持とう」と切り替えました。

しかし、ここに落とし穴がありました。「少額だから大丈夫」という油断から、損切りルールを設けなかったのです。

「いつか戻るだろう」という根拠のない希望的観測は、スポーツで言えば「試合終了のホイッスルが鳴っても負けを認めない」ようなもの。

一つの大きなトレンド転換に巻き込まれ、強制ロスカット。少額のつもりが、致命傷を負いました。

3. 通貨ペアの盲信

「ドル円しか知りませんでした」「ユーロだとかポンドなど聞いたこともありませんでした」通貨相関を見るなど考えも及ばなかったです。

マルチ通貨ペアの監視の必要性。それぞれの通貨ペアには「ボラティリティ(変動幅)」や「相関関係」という特性があります。

本当に何も知らず、何も調べずにトレードを値頃感だけでやっていました。

ラグビーの試合に野球のユニフォームで行くような、場違いな戦略を取り続け、相場の波に飲まれました。

転換点:なぜ私は「負けるべくして負けた」のか

資金を溶かし、呆然としていた時に出会った2つの概念が、私のトレード人生を変えました。

1. 敗者のゲーム(チャールズ・エリス)

テニスには「プロのゲーム」と「アマチュアのゲーム」があります。

プロはウィニングショットを決めて勝ちますが、アマチュアはミスをした方が負けます。

トレードも9割の参加者が負ける「敗者のゲーム」です。

「すごい勝ち方をしよう」とするのではなく、「ミス(無駄なエントリーや無計画な損切り)をしない」ことこそが、勝者への唯一の道だと知りました。

2. プロスペクト理論

行動経済学の有名な理論です。人間は「利益を得る喜びよりも、損失を被る苦痛の方を2倍大きく感じる」ようにできています。

その結果、本能のままにトレードすると以下のようになります。

  • 利益が出ている時: 早くこの緊張から逃れたくて、すぐに利益確定してしまう(利小)。
  • 損失が出ている時: 苦痛を認めたくなくて、「戻るはずだ」と損切りを先延ばしにする(損大)。

つまり、人間は本能のままにトレードすると、必ず「利小損大」になり、負けるようにプログラムされているのです。これを知った時、私が負けていたのは必然だったと腑に落ちました。

武器を持つ:難しく考えない「3つのルール」

本能に逆らい、敗者のゲームで生き残るためには、明確な「武器(ルール)」が必要です。

私は無数のインジケーターを捨て、以下の3つの古典的かつ王道の理論だけを武器にしました。

1. ダウ理論(トレンドの定義)

役割:今の試合状況を把握する

「今は攻める時(トレンド発生中)か、守る時(レンジ)か」を判断します。

「高値・安値の切り上げ(切り下げ)」という単純なルールを見るだけで、無駄なエントリーは激減します。

2. エリオット波動(相場の地図)

役割:現在地を知る

相場にはリズムがあります。「上昇5波・下降3波」という基本リズムを知っていれば、「今は第3波のど真ん中だから強気で行こう」とか「もうすぐ調整局面だから手仕舞いしよう」という戦略が立てられます。

闇雲にボールを蹴るのではなく、ゴールまでの道筋を描くための地図です。

3. フィボナッチ(押し目・戻りの目安)

役割:エントリーポイントを絞る

「どこまで戻ったら買うか」という基準を数値化します。

「なんとなく下がったから買う」という感覚トレードを排除し、「〇〇%のラインに来たから、反発を確認してエントリー」という、再現性のあるルールに変えてくれます。

まとめ:ルールを知った者だけが、勝負の土俵に上がれる

スポーツもトレードも、ルールを知らない者はカモにされるだけです。

もしあなたが今、感覚だけでトレードをして資金を減らしているなら、一旦トレードを止めてください。

そして、まずは「生き残るためのルール」を作ってください。

  • 自分のメンタル(プロスペクト理論)を理解する。
  • 負けない戦い方(敗者のゲーム)を意識する。
  • シンプルな武器(ダウ・エリオット・フィボナッチ)を磨く。

この3つが揃って初めて、あなたは「トレーダー」としてスタートラインに立てるのです。

まずは生き残りましょう。利益はその後に、自然とついてきます。

「資金を溶かしてやっとわかった。トレードは『ルールを知らないスポーツ』だった話」

構成:

結論: 生き残ることだけを考えろ。

導入: 私が退場した理由は、チャート分析以前の「前提」が間違っていたから。

失敗談: 1分足の迷子、少額スイングの自滅、通貨ペアの盲信。

転換点: 「敗者のゲーム」と「プロスペクト理論」を知って、自分が負けるべくして負けていたと気づく。

武器を持つ: 難しく考えないテクニカル(ダウ・エリオット・フィボナッチ)の使い方。

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