負けの典型的パターン

「なぜか負ける」には理由がある。誰もがハマる『負けの典型的パターン』と、その脱出法

前回の記事で、トレードは「ルールを知らないままコートに立って、いきなりプロにボコボコにされるスポーツ」のようなものだとお話ししました。

「じゃあ、具体的にどうボコボコにされるのか?」

今回はここを深掘りします。

実は、初心者の負け方には驚くほど共通点があります。 あなたが「自分だけ才能がない」と思っているその負け方は、実は誰もが通る「負けの王道パターン」なのです。

私が実際に体験し、多くのトレーダーが涙を飲んできた「3つの典型的な負けパターン」と、そこから抜け出すための「答え」を解説します。

目次

負けパターン①:資金管理のミスマッチ(サイズ感の欠如)

【現象】 軽自動車でF1レースに出る

「資金は少ない(数万円)けど、大きな値幅を取りたいから日足のゆったりしたスイングトレードをする」

一見、堅実に見えますが、これが大きな罠です。

【悲劇】 方向は合っていたのに…

日足レベルのノイズ(一時的な逆行)は、少額資金にとっては致命傷になります。

本来なら耐えるべき調整局面で、資金不足により強制ロスカット。「切られた直後に、思惑通りの方向へ爆伸びしていった」という経験はありませんか?

これは運が悪いのではなく、資金量とトレードスタイルのサイズが合っていないことが原因です。

【答え】 ドローダウン(一時的な含み損)を許容できるか?

自分の資金量で、その時間足の「あるある」な逆行に耐えられる計算になっていますか?

少額なら、スイングではなくデイトレードで回転させるか、あるいはロットを極限まで落とす必要があります。「ロジック」の前に「体力(資金)」の計算をしましょう。

負けパターン②:「木を見て森を見ず」症候群

【現象】 小波に向かって泳ぎ出す

「早くエントリーしたい」「細かく取りたい」という欲から、1分足や5分足だけに張り付いてしまう状態です。目の前のローソク足の上下に一喜一憂し、視野が極端に狭くなっています。

【悲劇】 津波に飲み込まれる

1分足で「上げだ!」と思って買ったら、ズドンと落とされる。

なぜなら、その背後にある1時間足や4時間足では、巨大な「下降トレンド(津波)」が発生していたからです。

上位足のトレンドは、下位足の動きをすべて飲み込みます。ミクロな視点だけで戦うのは、津波に向かって泳ぐようなものです。

【答え】 上位足という「地図」を見る

エントリーする前に、必ず上位足(1時間足や4時間足)を見てください。

「森(上位足)」がどちらに傾いているかを確認してから、「木(下位足)」を見る。この順番を守るだけで、無駄な逆張りによる死は防げます。

負けパターン③:通貨の孤独(相関無視)

【現象】 ドル円しか見ない

「日本に住んでいるからドル円」「馴染みがあるから」という理由だけで、チャート画面にドル円しか表示していない状態です。

【悲劇】 犯人を見誤る

ドル円が下がった時、あなたは「円が強くなった」と思いますか?それとも「ドルが弱くなった」と思いますか?

もし「ドルが全面的に弱い」のであれば、ドル円を売るよりも、ユーロドルを買ったほうが大きく勝てるかもしれません。

単一の通貨ペアしか見ていないと、「勝率の悪い、動きの鈍いペア」で戦い続けていることに気づけないのです。

【答え】 通貨の強弱(背景)を知る

相場は綱引きです。

「一番強い通貨」と「一番弱い通貨」の組み合わせを選ぶのが勝つための鉄則です。

ドル円を触る時も、ユーロドルやユーロ円を横目で見て、「今はドル主導で動いているのか?円主導なのか?」を確認する癖をつけましょう。

必須科目:なぜ私たちは「自滅」するのか?

技術的なパターンの次は、「心」の負けパターンです。これを知らないと、どんな手法を使っても必ず自滅します。

1. 敗者のゲーム(テニスの教訓)

アマチュアテニスの試合では、「凄いスマッシュを決めた人」ではなく「ネットに引っかけなかった(ミスをしなかった)人」が勝ちます。

トレードも同じです。大勝ちを狙って際どいコースを狙う必要はありません。

「無駄なエントリーをしない」「ルール外のことをしない」。この自滅(ミス)を減らすことこそが、唯一の必勝法です。

2. プロスペクト理論(本能のバグ)

人間には「得する喜びよりも、損する痛みの方を2倍強く感じる」という厄介な本能があります。

  • 少しでも利益が出ると、その利益を失うのが嫌ですぐに利食いする(チキン利食い)。
    これは経験が増えるほど重症化していきます。利益だったポジションがマイナスになって悔しい思いをする経験が嵩んでいき、プラスで決済しておきたい心理に勝てなくなります。
  • 含み損が出ると、痛みを確定させたくなくて「戻るはず」と祈る(損切り遅れ)。

つまり、本能のままトレードすると、必ず「利小損大」になり、破産するようにできているのです。「苦しい」と感じる方(損切り)を選ぶのが、トレーダーとしての正解です。

テクニカル分析を「楽しく」捉え直す

最後に、難しく考えがちなテクニカル分析を、直感的なイメージに変換して武器にしましょう。

① ダウ理論 = 「階段のルール」

教科書的な定義は忘れてください。ダウ理論は「階段」です。

相場は「階段を登っているか」「降りているか」「踊り場(レンジ)にいるか」の3つしかありません。

上昇トレンド中に売るのは、「上りのエスカレーターを逆走して駆け下りる」ようなもの。疲れるし、転んで怪我をするだけです。素直にエスカレーターの流れに乗りましょう。

② エリオット波動 = 「パーティーの盛り上がり」

相場の波(第1波〜第5波)は、「パーティーのテンション」と同じです。

  • 第1波(先駆者): 感度の高い一部の人だけが「お、始まるぞ」と気づく。
  • 第3波(ボーナスタイム): 「これイケる!」とみんなが参加し、一番盛り上がり、一番美味しい料理が出る時間。
  • 第5波(残飯処理): 遅れてきた素人が「まだ間に合う?」と飛び乗るが、もう料理は残っておらず、お会計(暴落)を押し付けられる。

あなたは今、どのタイミングでパーティー会場に入ろうとしていますか?

③ フィボナッチ = 「相場のクッション」

黄金比などの数学は置いておきましょう。これは「人間心理の休憩所」です。

全力疾走した後、人はどこで休憩したくなるでしょうか?

相場も同じで、一気に動いた後は、半値(50%)あたりで「ふぅ」と休憩したくなります。そこには目に見えない「ふかふかのクッション」があると思ってください。

魔法ではなく、世界中のトレーダーが「そろそろ休憩だな」と同じ場所を見ているから、そこで止まるのです。

まとめ

負けるパターンは、実はとてもワンパターンです。

あなたが今抱えている「なぜか勝てない」という悩みは、先人たちが全員通ってきた道であり、そこには明確な「答え」があります。

まずは「木を見ず森を見る」こと。

そして「本能(プロスペクト理論)に逆らう」こと。

この2つを意識するだけで、あなたのトレードは「ギャンブル」から「ビジネス」へと変わっていくはずです。

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